1、幼少時代の父からの虐待

 

 幼少時代、共働きだった両親であったが、母が遅くなると、子供は母が恋しくて泣くものである。

 

 すると、父は、子供をあやすどころか、うるさいからと殴っていたということを、後に母の母である祖母から聞いたことがあった。

 

 その殴り方があまりにひどいので、祖母は幼かった私を外へ連れ出して、泣き止むまで毎日のようにあやしていたということだ。

 

 毎日のようにあやし役をやらされたら、祖母の方も大変であったであろう。

 

 今でなら完全に幼児虐待であるが、当時はそれでも許されていたところが、父の虐待を増長させる要素になっていたと考えられる。

 

 これで、父に愛情など涌く訳もなく、私の幼少の記憶には、一番に祖母がいて、次に母と来るが、父の顔は浮かんでこない。